統計データが政策立案に役立つことも

介護サービス事業者の経営には、規模や経験、地域特性など諸事情によっては、事業者の努力だけでは解決困難な課題もあり、自治体等による支援政策が非常に効果を発揮する場合もございます。
当診断サービスを自治体単位で行うことによって得られる統計データは、そのような政策立案の根拠のひとつになりえます。

例1:「働きやすさ」が離職防止の重要な鍵である場合

例えば、子供の送り迎えなどのために、フレックスタイム制度導入の要望が多い場合、フレックスタイム制度を導入した場合に職員が不足する時間帯が生じることが導入のネックだとしたら、職員を新規に雇用するための支援政策が考えられます。
また、日勤と夜勤の繰り返しが体力的に厳しいという職員が多いので、夜勤専門職の導入を検討したものの夜勤希望者が少なく、新規採用しなければ回らないという場合にも、職員の新規雇用に関する支援等が考えられます。
上記のような施策によって、職員に時間的・精神的余裕が多少なりとも生まれれば、「忙しすぎて研修に行く時間が取れない」という課題の解決にもつながりますので、その波及効果は大きいと考えられます。

例2:利用者様のQOL改善と職員のモチベーションに相関がある場合

自治体によっては要介護度を改善すると奨励金を支給する制度を既に導入しているところも複数あり、大変注目されています。政府も、2018年度の介護報酬改定で、要介護度を改善させた事業所の報酬を引き上げるなど、自立支援介護の成果に対する報酬制度の検討を進めています。
一方、今の人手不足の状況では要介護度改善に抜本的に取り組む余力がないが、例えば、各利用者にとっての優先課題についての改善を評価されるような制度があれば、職員のモチベーションも上がるというご意見もございます。その場合、新たな評価制度や運用の仕組みを開発する必要が生じますが、まずは、項目を絞ってテスト的に導入してみるという方法も意味があると考えられます。

相関分析を活用した新しい分析メカニズムが施設の経営改善に、さらに、行政区分単位等での統計データが行政サイドの政策立案のお役に立てば、私どもにとりましてもこの上ないモチベーションになります。